相手を受けいれることで対話は継続できる

「相手を受けいれることで対話は継続できる」というタイトルで論じたいと思います。

 

以下の本「生産性マネジャーの教科書」のP168〜174の抜粋をします。(タイトルもそこから取りました)

 

 

 

優秀な部下との対話は問題なくても、出来の悪い部下とよい関係で対話を継続するのは難しいものです。こんな時に自分がどういう状態にあるのかを知るのに役立つのが、「人生の立場」です。

 

ここでの「OK」という表現は、「あるがままの自分や他人の存在と人生を肯定し受け入れている」

という意味です。

 

横軸が、現状の自分を受け入れられているか否かの軸、縦軸は、現状の他人を受け入れられているか否かの軸です。この2軸から、自分と他人を受け入れられているか否かを4分類したものが図5.9です

 

人生の立場。(図にしないで、文章化しました)

1 私はOKではない。他人はOK。

2 私も他人もOKでない。

3 私も他人もOK.

4 私はOK。他人はOKではない。

 

対話が継続する「私も他人もOK」

自分も他人も肯定的に受けいれられている「私も他人もOK」の立場での対話は、上司と部下が互いに存在価値を対等なものとして尊重し合うものです。2人の間には共感があり、問題や対立についても真正面から向き合って建設的な対応を取っていくことができます。例えば、次のような対話になります。

 

略。

 

理想的な対話ですが、部下の落ち度が目立ち、パフォーマンスが低い相手にこの態度を自然に取ることは容易ではありません。次の事例を見てみましょう。

 

対話が継続しない「私はOK。他人はOKでない」

 

部下が何度言っても同じ間違いを繰り返すような時、マネジャーはその部下に対し、「私はOKだがお前はOKではない」と、相手のみを否定的に捉える立場を取るようになります。この場合、相手の行動に疑い深くなり、支配的な態度になる傾向があります。先ほどの対話はこのように変わります。

 

略。

 

この対話では、「この部下はダメだ!」という気持ちが湧き、プレッシャーをかけています。プレッシャ−をかけられた部下の反応は、その時の状態や部下のタイプによって異なります。

 

部下のタイプ別 プレッシャーをかけた時の反応

春。プレッシャーを感じても、基本的には我慢します。自分の気持ちを正直に言うことは少なく、言い訳をしながらも、命令に対し従う傾向があります。「すみません......。先方が◯◯と言っていたので、気をつけます」。

 

夏。面と向かって逆らうことはありませんが、機会を捉えて上司が不利になるように攻撃をしかけてきます。「わかりました......」。

 

秋。上司を無視し、コミュニケーションを回避するようになります。上司と関わらなくて済むような対策を立てます。「なるほど......」。

 

冬。「攻撃的な反応をするようになります。上司に対し、ぶっきらぼうな態度や威圧的な反応を示すこともあります。「先日、報告した時はそんなこと言ってませんでしたよね。そういうことは先に言ってもらわないと」。

 

いずれの場合も良好な対話は続きません。

夏タイプと秋タイプは、この場で反撃することなく、黙って対策を考えているようです。冬タイプは、「上司はOKでない」というメッセージを出して反撃しました。春タイプは、上司からの「部下はOKでない」というメッセージを受け取り、「私はOKでない」という状態に入りかけています。

 

自分が間違っていて「私はOKでない。他人はOK」という状態に入ると、人は憂鬱になりやすく、劣等感に悩むようになります。自分はOKの人といるのが苦痛で、親密で対等な関係が築けなくなります。

 

状況が悪化すると、「私も他人もOKでない」状態に入り、「どうせやってもダメだ」と問題解決への意欲がなくなり、回復が難しくなります。

 

マネジャーは自分が「部下はOKでない」というメッセージを出していると気がついたら、部下が「私もあなたもOK」と感じられる対話に切り替えましょう。

 

存在そのものを認めることで人間関係の土台を築く

部下が「私はOKでない」と感じて落ち込んでいる時には、前出の図5.4「意識の階層」の1 自己認識に働きかけます。環境や行動、能力、価値観・信念ではなく、目の前の人の存在そのものを承認することで、部下が「自分も相手もOKである」と感じられる状態をつくり出します。

 

部下のパフォーマンスが低く、よいところが見つけられない時、自然に次のような感情が浮かんでくると思います。この気持ちを持ったまま対話していると「あなたはOKでない」を発します。言葉で言わなくても態度が伝わってしまいます。

 

できない部下に対して湧く感情

(ア) 君はいてもいなくてもいい。

(イ) 君の代わりはいくらでもいる。

(ウ) 君には価値がない。

(エ) 君は他者より劣っている。

(オ) 君は足手まといだ。

 

こんな状態が湧いたら、あえて反対のこと、相手の本質を認めて承認する次の言葉を口に出して言ってみて下さい。

 

相手を承認する言葉。

(ア) 「君は歓迎されている」

部下の居場所がない感は、忠誠心に変わります。

(イ) 「君は大切な一員だ」

部下の不安感は、献身に変わります。

(ウ) 「君には価値がある」

部下の空しさは、満足感に変わります。

(エ) 「君はユニークな存在だ」

部下の無力さは、独創力に変わります。

(オ) 「君の貢献は重要だ」

部下の罪悪感は、やる気に変わります。

 

湧いてきた感情をただ変えるのは困難ですが、承認の言葉を口に出してみると相手が変わるだけでなく、自分の感じ方が変わるのに気がつくはずです。

 

対話力のあるマネジャーは自分を理解している。

生産性マネジャーは「自分の言動の特徴」と、その自分の言動が「部下に及ぼす影響」を理解しています。また、自分が部下の言動に対してどのように反応する傾向があるのか理解しています。そのうえで、自分の個性を部下に合わせてコントロールすることで、個人力を発揮しています。

 

立場にしがみつくと、尊敬されない

「さんづけ運動」が注目され、多くの企業で、上司を役職ではなく「名前+さん」で呼ぼうという取り組みが、1980年代後半から盛んに行われました。それが定着している会社も多い一方、中にはもとに戻った企業もあります。「さんづけ」で呼ばれただけで、「むっ」とした顔をした管理職もいましたね。

 

「役職の重み」は大切ですが、それは、会社から与えられるものでなく、人格を磨くことによって、自ら獲得すべきもの。「部下からの敬意」もまったく同じです。立場をふりかざして、上から目線でコミュニケーションを取ろうとする上司が、部下から尊敬されることはありません。

 

上司が自分自身のことで頭がいっぱいになっているのか、常に部下のことを考えているのかは、言葉の端々、視線やボディ・ランゲージに現れるものなのです。「君はそれでよいかもしれないが、僕の立場はどうなると思ってるんだ」

 

こんな発言がその典型です。「親の心子知らず」という諺がありますが、これは無理もないこと。幼い子どもは、親になった経験はないのですから、親の立場に立って考えるのはきわめて困難です。

 

同様に、部下に対して「上司の立場に立って考えよ」と言ってもそこには限界があります。「部下の立場、心情に立って考えられる想像力」が生産性マネジャーには求められます。P168〜174。

以上、ここまで。

 

私はこのことは薄々、感じていました。「私はOKであるが、相手はOKじゃない」ということも薄々感じることもありました。例えば、私が結果を出してないなどで、相手がOKじゃない状態になっているわけです。

 

私は、基本的に、相手の立場関係なく、中身でなるべく判断し、相手から貪欲に学ぶタイプなので、「私はOK。相手もOK」が基本路線です。ですが、私の素性を知っている人は、相手がOKじゃないのです。

 

または、いくら、私がOKでも、相手が明らかに私を不機嫌にさせたり、意味の分からないことを何回も言ったりすると、どんどん相手への信用度が下がっていきます。

 

相手への信用度も下がりますし、「なんで、この人はこういう訳の分からない質問ばかりするんだろう」など、不信感も募ってきます。

 

相手へOKな私でも、これが何回も続くと、さすがに相手へのOK路線が揺らいでくるのです。私は相手を肩書だけではなるべく判断しないようにしています。中身で判断しますが、その中身が酷いとやはり不信感を抱いたり、信頼度が下がっていきます。

 

私からダメ出しされた人は「なんなんだ、この人は」と思う人もいるかもしれませんが、私がダメ出しをするということはよっぽどの時です。私は我慢して言いたいことを言わないタイプなので、それでも相手にダメ出しをするというときは、その人の発言は相当マズイケースです。

 

他の人に言ったら、即アウト系な発言ということです。しかも、それを何回も言うなら、もう「この人はヤバイ人だ」という認識になってしまい、相手へのOK路線が消えていってしまいます。

 

変な発言を繰り返す人にはどう対処したら良いのでしょうかね。いくら、相手へのOKが大事と言われても、限度があります。私の基本路線は相手へのOKですが、 何回、指摘しても直らない場合はどうしたらいいのでしょうか。

 

この本は相手へOKをすることが、相手と対話を継続する秘訣だと述べていますが、限度があるのです。

 

参考・引用文献。