「書評 問題解決大全」

「書評 問題解決大全」

 

 

 

 

Twitter書評は以下です。

 「問題解決大全」4点。前作の「アイデア大全」は個人的にはイマイチだったのだが、本作はかなりの良書だと感じた。私が、問題解決系の本を読み漁っており、それらが網羅され、整理された本書の利便性に価値を感じたからかもしれない。大全の名にふさわしい網羅性。買い推奨。

 

 

以下、気になる箇所を抜粋します。

 

その前に、問題解決についての私の記事を載せておきます。

 

 

根本原因を退治できるか?

通常の問題解決は、理想と現状のギャップを問題として捉え、その原因を究明した後に、問題の原因に対して処置策を講じる。

 

この問題解決のアプローチは2つの前提の上に成り立っている。

 

1つは、因果関係を遡ることで根本要因(あるいはより根本的な原因)にたどり着くことができるという前提、もう1つは、根本原因(あるいはより根本的な原因)を取り除くなり無力化できれば、そこから因果関係で結びついたすべての結果(もともとの問題を含む)は生じなくなるという前提である。

 

しかし、これらの前提はかなり強い要請であり、現実にはしばしば成り立たない。根本原因を突き止めることは、常に可能というわけではない。出来事は単独の原因で起こることはない。数多くの原因によって生じ、その出来事はまた数多くの出来事の原因の1つとなる。

 

無数といってよい因果関係を残らず網羅するのは、多くの場合、現実的に不可能である。因果関係のうち、少数の主要なものだけを考えれば済む場合でも、困難はまだある。

 

結果が原因のいずれかに影響を与えるような場合、つまり因果関係がループしているとすれば、どこまで遡っても巡るばかりで根本原因に行き着かないことになる。

 

こうした因果ループは、例外的なものではない。辛辣なグレゴリー・ベイトソンの指摘によれば、直線的に因果関係をたどれると信じることができるのは、因果ループの一部を都合よく切り取っているからに過ぎない。

 

また根本原因が突き止められたとしても、取り除くことができるとは限らない。根本原因を削除することをもって解決する(外科手術)的な問題解決は、(患部)のように問題を局所化できないと用いることができない。(外科手術)的な問題解決ではまた、問題解決者と問題の当事者は分離している。

 

たとえば、特定の汚染源に対して対処すれば解決する問題(公害企業などがこの場合の(患部)となる)には(外科手術)的な問題解決は可能だが、不特定多数(つまり我々のほとんどすべて)が汚染源となり被害者にもなる環境問題には適用困難である。

 

重要なのは、問題は物ではないということだ。とくに社会の中で生じている問題は、社会を形づくっている人びとの間の相互行為から発生している。一方的な因果関係ではなく、お互いがお互いに影響を与え合う中で生まれ、再生産されるがゆえに問題は存続する。

 

問題に苦しむ当事者が訴える(主訴)には、当事者がとった解決のための行動が入り混じっているが(おそらく当事者の行動は問題を形成する悪循環の一部となっている)、彼らもまた直線的因果性に基づいた問題解決のフォーマットを使って、誰か/何かを原因として批判する。

 

この(主訴)に従い、その原因を取り除き問題解決をしようとするなら、我々もまた問題を形成する悪循環の一部に組み込まれるだろう。P276〜278。

 

以下、目次を列挙します。

 

第1部。リニアな問題解決。

第1章。問題の認知。

1 100年ルール。

2 ニーバーの仕分け。

3 ノミナル・グループ・プロセス。

4 キャメロット

5 佐藤の問題構造図式。

6 ティンバーゲンの4つの問い。

7 ロジック・ツリー。

8 特性要因図。

 

第2章。解決策の探求。

9 文献調査。

10 力まかせ探索。

11 フェルミ推定

12 マインドマップ

13 ブレインライティング。

14 コンセプトマップ。

15 KJ法

16 お山の大将。

17 フランクリンの功罪表。

18 機会費用

19 ケプナー・トリゴーの決定分析。

 

第3章。解決策の実行。

20 ぐずぐず主義克服シート。

21 過程決定計画図。

22 オデュッセウスの鎖。

23 行動デザインシート。

 

第4章。結果の吟味。

24 セルフモニタリング。

25 問題解決のタイムライン。

26 フロイドの解き直し。

 

 第2部。サーキュラーな問題解決。

第5章。問題の認知。

27 ミラクル・クエスチョン。

28 推論の梯子。

29 リフレーミング

30 問題への相談。

31 現状分析ツリー。

32 因果ループ図。

 

第6章。解決策の探求。

33 スケーリング・クエスチョン。

34 エスノグラフィー。

35 二重傾聴。

 

第7章。解決策の実行。

36 ピレネーの地図。

37 症状処方。

 

以上、ここまで。

 

問題解決大全の名にふさわしい網羅性だと感じます。問題解決の種類については、私の上記記事や、今回の記事で把握できるでしょう。

 

あとは、具体的な解決策の事例は本を読んでもらえればと思います。詳しい解説が書いてあります。

 

 参考・引用文献。