AO入試やアクティブラーニングや教育無償化について

以下、尾木ママこと尾木直樹氏と茂木健一郎氏との対談本「教育とは何?」からの引用・まとめです。

 

 

 

 

さて、本来の意味でのアクティブラーニングを実践している学校として、京都に堀川高校という私立高校があります。ここに「探究科」を新設したところ、その1期生が卒業した2001年には、国公立大学の現役合格者数が106人になりました。その前年は6人だったわけですから、「堀川の奇跡」とも言われています。

 

京都大学にも毎年30人台の合格者が出るようになり、気がつけば京都の公立高校ではトップとも言えるような進学校になっていました。

 

探究というのは社会や身近な生活の中から生徒が自ら課題を見つけ出し、実験や調査などをもとに論文をまとめ発表するという授業活動です。例えば琵琶湖の水を浄化するにはどうすればいいかといった調査研究を3年間続けてそれを卒論にまとめる。

 

ここからは私の意見。探究の模範的な例として、以下があります。

今はスキームの概念でも知られる「20世紀最高の数学者」のフランス人、グロタンディーク(2014年没)の論文を読み解くため、まとめノートを作っている。魅せられたのは、その発想力だそうだ。以上、引用、ここまで。 これは最年少で数検1級合格の子の話です。

 

このように、本やまとめノートを書く(量子力学の子や数検の子の例)のは探究活動の一つだと思います。

 

私の意見はここまでで、また、「教育とは何?」からの引用に戻ります。

 

生徒が100人いれば100通りの探求(誤植?)がなされ、それをを先生たちがサポートします。先生だけでは指導しきれないので、京都大学の大学院生などがアシスタントに入ります。

 

そういう、一見受験にはあまり役に立たなそうなことをしていて、なぜ難関の京都大学に合格できるのか?京大の入試科目には数学や英語もあるのにその勉強はどうするのか?そんな疑問を持つ人もいることでしょう。

 

では、どうして合格できてしまうのかと言えば、学びへのモチベーションを元に生徒それぞれが受験科目にも努力するからです。自分なりの探求(誤植?)を続けているうちに、「京大の◯◯先生の研究室に行きたい」」「東大の◯◯先生のゼミに入りたい」というような目標を持つことになります。

 

生徒はその目標達成のために頑張ります。偏差値の高さや有名大学かどうかではなく、「ここでこれを学びたい!」という強い想いが土台にあるのです。そういう強いモチベーションがあれば、なんとかなる。そんな現実からもわかるように学校は文科省の教育課程などに縛られず、子どものやる気、主体性を尊重したほうがいいのです。

 

アクティブ・ラーニングの行方

茂木先生はすべてAO入試にするのがいいとおっしゃいましたよね。最近、大学でもAO入試を取り入れているところが多くなりました。

 

例えば法政大学に入学するには一般入試、センター入試、AO入試、指定校推薦、付属校からの進学などいくつかの経路があります。

 

それぞれの経路から入学してきた学生たちが、入学後、どれくらい学力を伸ばしているかについてデータ分析を行ったところ、AO入試で入ってきた学生たちがもっとも伸びていることがわかりました

 

以下の記事から、早稲田はAO入試、推薦入試の割合を現在の4割から6割に上げるつもりのようです。

早大では、入学後の学業成績を見ると、AO入試の入学者が最も良く、続いて推薦入試の入学者がよかったことを挙げる。このことについて、発表資料では「本学への入学を心から志望し、受験の段階から入学後の学修VISION を明確に思い描きながら努力してきた者は、実際に入学してからも活躍できる」裏付けだとしている。以上、ここまで引用。

 

さて、「教育とは何?」の本の引用に戻ります。

 

センター試験を受けて、第一志望の大学に行けずに入学してきた学生はいかにも不本意といった表情をしているので、入学時点ですぐにわかります。僕たち教える側はそういう生徒たちにはことさら丁寧に対応するよう心がけています。そうすると、次第に「ここで頑張ろう」とやる気を取り戻してくれます。

 

一方、AO入試で入った子たちはこの大学に入りたい、という熱意や明確な目標を持った学生が多いので、スタートダッシュからして学びのスピードが違います。そうしたところでも大きな差がついていくわけです。ですから、できるだけ多くの生徒たちがAO入試で行きたい大学。学部に行けるようにすべきです。

 

日本では大学1年生の多くが18歳です。こんな国は珍しいと言えます。例えば、ノルウェーでは、大学生の平均年齢は30歳くらいだそうです。高校を出たら、自分の偏差値では入れそうなところを選んで大学に入るのが日本です。それが当たり前になっているということ自体が、実はとんでもない間違いなんです。

 

海外では、高校を出たあとインターンシップでどこかで働いたり、専門学校に行ったりしたあとに学びたいものを見つけて大学に入るといったケースが多いのです。両者をくらべた時、学びへの集中力やモチベーションはまったく違うだろうということは容易に想像がつきますよね。以上、ここまで。P37〜41。

 

さらに、ガイダンスから、抜粋します。

 

OECD加盟34カ国中18カ国が、基本的には大学授業料を無償化しているんです。少し古いですが、OECDの「図表で見る教育2010 日本に関するサマリー」によると、OECDは、「1人の学生が高等教育の学位を取得することでどれだけ経済的なリターンがあるか計算までして、教育が経済・社会に及ぼす貢献度が大きいことを示し、「教育は未来への投資である」と訴えているのです。

 

これは政治レベルの話ですが、民間でも給付型奨学金の創設や学校への寄付を行うことはできます。企業は社会的責任として財団などを作って子どもだちを支援してほしいし、政府は税制上の優遇措置などで、教育への寄付文化を根付かせなければいけないと想います。

 

初等から高等教育までの教育にかかる費用の私費負担率は、日本の場合は28%OECD平均(16%)よりははるかに高く、とりわけ大学などの高等教育ではOECD平均は約30%なのに、日本は約67%とダントツに高い。これは今でもほぼ変わらない割合です。

 

ここまで家計に教育費の負担がかかる国は珍しいのです。日本ではこれまで、子どもの学費のために生活費を切り詰めたり、お母さん方がパートで働いたり、苦労してなんとか教育費を捻出してきたという歴史があるため、教育は各家庭の自己責任で行うものだという意識が定着してしまいました。

 

世界では必要な教育は無償で受けられるのがあるべき姿なんです。以上、ここまで。P183〜185。

 

個人的には、国が教育無償化をするより、民間の実力ある人たちが技能やスキルを格安で提供すれば一発解決だと思うのです。

 

例えば、以下の記事があります。

 

N予備校は月額1000円です。これで、プログラミング大学受験の予備校レベルが学べるのです。こういう素晴らしいシステムの企業をメディア(TV局)らがばんばん宣伝すればいいのです。(他にもプログラミングで言えば、progateなどもあります) 

 

あとは、普通高校とネット高校での世間の認識を変化させることです。ネット高校だと、なんか、怪しげなイメージがまだあると思います。そういう偏見こそが、金がない層にとって、さらに金を失わせるのです。

 

大学も、理系以外は、ネット大学など作ればいいと思うのです。理系は物理的な実験などが必要ですから、設備や建物が必要ですが、文系なんて本来なら、本を読めば大抵のことは学べます。

 

単に、世間の偏見が、既存の大学に行く層を増やしているのです。そして、通信大学もおそらく、偏見を受けているでしょう。企業側の意識の問題もあります。

 

N高校には、N大学まで作って欲しいと思います。ドワンゴにしか、この偏見は打ち破れないでしょう。国も、規制緩和をするべきです。大学に関して。

 

教育の無償化なんてやらずとも、実力ある層がネット大学を作るか、メディアでの宣伝で偏見を取り除くなどすれば格安です。実際、海外ではネットで無料で大学の講義が受けられる流れじゃないですか。

 

さすがに無料だと、大学の経営が成り立たないので、格安で提供すればいいのです。教育無償化という論点はずれている印象を私は感じます。

 

さらに、橘玲氏の主張でとどめです。

教育無償化の”不都合な真実” 週刊プレイボーイ連載(30玲 公式サイト7) | 橘

 

ヘックマンの議論では、中等教育や高等教育に税を投入することは、投資に対してプラスのリターンが見込めないため、政策としては正当化できないのです。

 

いまの日本にあてはめるなら、政策として正当化できるのは、母子家庭など貧困層の子どもたちへの支援だけでしょう。以上、ここまで、引用。

 

とあります。幼児教育の無償化なら、まだ正当化できる部分があるのでしょう。中等教育や高等教育の無償化は正当化しにくいようです。

 

これを受けたのか、安倍政権の広告では以下のように幼児教育無償化が叫ばれていました。

 

 

ちなみに「教育とは何?」という本に載っていた小耳情報を。以下、抜粋します。

 

ある調査によれば、セクシャル・マイノリティを表す「LGBT」に当てはまる人の割合は「13人に1人」という数字も公表されています。小・中学校で考えると、1クラスに2〜3人いるという計算になり、これはもはやマイノリティとは言えないほど身近な存在になってきているのです。P165、166より。

 

こんなに身近な問題だとは初耳でした。こういう数字はあまり公には知られていないと思うので、紹介しました。

 

以上です。

 

引用・参考文献。