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目次

  
  1. 過去の日本
  2. 日本のイノベーションがどうあるべきか
  3. ビジネスプロデュース
  4. シリコンバレーで起きている本当のこと」からの引用・まとめ
  5. 産学連携
  6. インドの話と「「業界再編時代」のM&A戦略 No.1コンサルタントが導く「勝者の選択」」からの引用・まとめ
  7. 連携の話のまとめ
  8. イノベーターとイノベーションの普及について
  9. イノベーションの普及への反論と「あなたの会社にイノベーションを起こす新事業開発スタートブック」からの引用・まとめ

 

過去の日本

  

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ここからは過去の日本について書くことにします。日本は第2次産業革命では覇権国でした。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という本が出版されましたし、「日本の経営」という本では、「終身雇用」「年功序列」「企業内労働組合」という三種の神器について書かれていました。

 

性善説を前提としたマネジメントや、トヨタカンバン方式カイゼンが世界など、日本は「世界のお手本」だったのです。

 

しかし、第3次産業革命、つまり、情報通信革命で日本は対応を誤り、覇権国から転落しました。代わりにアメリカが製造業を捨て、ITと金融に産業の軸を移した上に、小さな政府路線で自由競争を重視し、ゾンビ企業を倒産させ、労働市場の新陳代謝を促しました。

 

規制やルールを減らし、人材がIT業界に移り、ITで新興企業が続々と生まれ、今や覇権国はアメリカに完全に移りました。マイクロソフトWindowsを使い、アップルのスマホを常時携帯し、グーグルのサービスに依存し、フェイスブックで人とつながり、アマゾンで買い物をするのが日本の姿です。

 

しかし、第4次産業革命、つまり、AI、IoT、ロボット、3Dプリンタという技術が主戦場の世界では日本にもチャンスがあります。

 

IoTによって、日本が得意とする健康、医療、製造現場、土木建築現場、自動走行などリアルな世界のデータでは日本に分があります。

 

「観光立国」と「健康立国」がキーワードです。外資を稼ぐのは現在、自動車、電機産業ですが、それを観光というサービス業に移す決意があるようです。

 

また、少子高齢化という世界の最先端の課題がある日本では「健康立国」を目指すことで、新しいサービスを生み出そうという野心があります。

 

いわば、「移民を受け入れずに、少ない労働時間でモノやサービスの豊かさを維持し、平均寿命とへ健康寿命を一致させて、「死の直前まで自分らしく生きる」国民を増やすのが狙いです。

 

農業や製造業から、医療、健康、スポーツ、観光といったサービス業に多くの労働者を移す国家戦略なのです。

 

第4次産業革命を成功させるために、日本の製造業はAI、ロボット、3Dプリンターといった汎用技術を駆使して「生産性イノベーション」を起こさないといけません。

 

マーケティング、研究開発、購買、生産、販売、アフターサービスといったビジネスのバリューチェーンの全領域にAIやロボットを全投入するのです。

 

全ての製造業は今後、アップルのようなファブレスの企画に特化した業態になるか、工場に投資して自社生産設備を持った業態になるか、の選択を迫られます。

 

自社生産にこだわるのならば、工場の無人化やクラウド化をしないと生き残れません。工場の無人化による高いコスト競争力は必須条件になるでしょう。

 

さらに工場として存続したいのならば、エリアで必要なすべての製造をマス・テーラーメード生産する体制が必要です。

 

 

日本のイノベーションがどうあるべきか

ここからは日本のモノづくりはどうあるべきかに加えて、日本のイノベーションがどうあるべきかも論じることにします。

 

1 日本は資源を投入する分野を選ぶことが必要です。全体投入量がアメリカに比べて少ないです。選択と集中が必要です。

例 日本は、ヒト型ロボットや食品の繊細な機械などが得意です。

例 感性ベースのイノベーションも得意です。

ここに資源を集中すべきでしょう。

 

2 アメリカの産業が捨てかけているか、または、力を入れていない分野を狙います。

例 ハイブリッド車。アメリカは自動車産業を最も力を入れている産業に指定していません。

 

3 イノベーションの成功確率を上げること。資源投入量が少ないのだから、成功確率が高い分野を選ばないといけません。水道の漏水率が低いのは日本の強みです。

 

4 日本企業は、無駄な重複をやめる、省くこと。

国内で3つも4つもの企業が似たような技術開発をやっていますが、非効率です。アメリカと比べて資源投入量が少ないのだから、三重・四重に投入する余裕はありません。

 

この重複のムダを省くために、重複投資をしている複数の企業が経営統合して、資源の再配置をせざるを得なくなると思われます。

 

日本企業は世界競争という観点から見たら、もはや国内で無駄な消耗をしている場合ではないのです。

 

ビジネスプロデュース

ビジネスプロデュースという概念があり、連携することが大事と説かれています。業界を超えていくつかの企業が連携することで、初めてビジネスチャンスが生まれ、新市場の扉が開きます。連携は大事ですが、簡単にはできないので、構想が大事になります。

 

このビジネスの目的は何か。フックと回収エンジンは何か。(フックはそのビジネスの「撒き餌」で、回収エンジン「お金を得る仕組み」) 

 

どのくらいの事業規模を目指すのか。どういったプレイヤーたちと連携するか。それぞれの役割分担はどうするか。こうした具体的な部分を詰めながら、大きな絵を描き、実行しながら構想をさらに進化させていきます。これがビジネスプロデュースです。

 

連携するにはビジネス全体が俯瞰できている必要があります。それぞれの役割分担がきちんと明示され、それぞれの回収エンジンが設計されていれば、安心です。そのビジネスに参加するか否かを決めやすくなります。

 

ですが、連携する企業すべてが、同規模の利益をあげられるわけではありません。それぞれの企業によって利益率は異なります。ただ、あらかじめお互いに理解しておけば、もめることはありません。

 

利益率が低くても、他のメリット(お金以外)で連携するケースも多いです。連携する企業全てが、何らかのメリットを享受できれば、構想を作れます。

 

自社一社よりも、他業界との共創で、儲けられる構想を作り、イノベーションを加速させ、日本全体に貢献してもらいたいものです。

 

グループ企業ばかりと組んでいると、顧客側からは似たようなサービスや中途半端なものに映ります。また、他業界に最高の技術を持った企業がいても、連携しようとしないのはマズイです。

 

最高のサービスを顧客に提供できなくなるからだです。他業界でも、最高のプレイヤーがいれば連携すべきです。

 

日本企業の多くは他業界と連携しようという意識が低いと予測されます。逆に言えば、連携すれば、優位に立てる可能性が高いということです。

 

連携が成立するかは構想次第です。各企業が参加するメリットを享受できる構想にしないといけません。連携する企業によって、ビジネスの規模や収益は変わります。

 

キープレイヤーが離脱すると、構想は破綻することが多いです。破綻させないためには連携する企業に優先順位をつけて、重要なプレイヤーから一社ずつ連携していき、仲間にしていくことです。

 

構想したビジネスの目的や意義を仲間となった企業としっかりと共有しておくことが重要になります。企業がすべて自前主義でやるのではなく、連携していくという姿勢が大事だということが伝わります。

 

日本はアメリカと比べて、資源投入量が少ないのだから、効率よく資源を使うためにも、連携していかないと勝ち目が薄くなります。

シリコンバレーで起きている本当のこと」からの引用・まとめ

また、連携の大切さはIT業界で顕著です。アメリカの西海岸にあるシリコンバレーはIT産業の集積地の中心です。

 

半導体や情報通信機器、インターネット関連ビジネスの世界的な集積地になっています。単独で成り立っているわけではなく、イスラエルは暗号や無線通信の分野において世界の先進地域になっています。

 

イスラエルシリコンバレーユダヤ人脈でつながっています。シリコンバレーイスラエル、双方で買収合戦をしたり、イスラエルの会社がシリコンバレーに支店を開いたりしています。

 

ところで、シリコンバレーでは家賃が上昇し(1日100ドル(約1万1千円)の部屋もあります)、元々いた住民は追い出されているようです。今や、富裕層しか住めない場所がシリコンバレーなのです。

 

シリコンバレーの平均世帯年収は約11万6千ドル(約1280万円)です。これはアメリカでの平均の約2倍です。29%は15万ドル(約1650万円)以上の年収があります。

 

対して、19%は3万5千ドル(約390万円)以下です。シリコンバレーの全世帯の約3割は公的扶助なしでは生活できない状態です。このように格差が広がっています。

 

世界1、2位の時価総額の企業があるのに、シリコンバレーの自治体は財政難に苦しんでいます。その理由は、IT企業の「税金逃れ」と言われています。

 

アップルが海外に保有する現金や現金に相当する資産は約1869億ドル(約20兆5600億円)です。マイクロソフトは944億ドル(約10兆3800億円)、グーグル(現会社名アルファベット)は429億ドル(約4兆7200億円)です。

 

特に、アップルが海外での収益に支払っている額は2.3%とかなり低いです。アメリカの法人税率は35%ですから。

 

これによってアップルは、約590億ドル(約6兆4900億円)の税を逃れているようです。また、シリコンバレーではIT企業の人種や女性差別が問題になっています。

 

アメリカ全体の人口は白人64%、アジア系5%、ヒスパニック系16%、黒人12%という人種構成です。男性は49%、女性は51%です。

 

これに対して、グーグルは白人60%、アジア系31%、ヒスパニック系3%、黒人2%です。フェイスブックは白人55%、アジア系36%、ヒスパニック系4%、黒人2%です。

 

アップルは白人55%、アジア系15%、ヒスパニック系11%、黒人7%です。アップルの場合、アップルストアの販売店員なども含めているため、黒人の割合が多いと推測されます。

 

男女比では各社ともほぼ男性が7割、女性が3割であり、幹部職になると男性の割合がさらに高まります。黒人、女性が少なく、アジア系、男性が多い理由は以下の通りでしょう。

 

まず、アジア系の家庭は教育熱心で、特にインド・パキスタン系や中国・韓国系の若者は、理系の科目を熱心に勉強します。

 

さらに、インドや中国系の移民がアメリカの技術職のピザを取りやすくするために、戦略的にコンピュータを学んでいるのも一因だと言われています。

 

また、理系には女性が少なく、特に、コンピュータサイエンスには女性が入っていきにくいのです。

 

IT系は徹夜で会社に泊まり込みで仕事に没頭するケースが多いのですが、女性はなかなか馴染めないのでしょう。

 

加えて、男性でも年齢が上がるとIT系はきつくなりますが、女性なら尚更、結婚して子供を育てながら働くのは至難の業でしょう。

 

シリコンバレーの詳しい事情についてはシリコンバレーで起きている本当のこと」を読めば詳しく書かれています。

 

 

ちなみに、シリコンバレーに人材を供給する大学は私立大学のスタンフォード大学(学部生約7000人。大学院生約9000人)と公立大学UCバークレー(学部生約2万7000人。大学院生約1万人)です。

 

産学連携

さて、産学連携というと日本では「政府、大学、産業界」になります。政府から大学にお金が配分され、大学から産業界に知財(IP)やパテント(特許)が流れ、産業界から大学にパテント(特許)やライセンス料が支払われるという構図です。

 

シリコンバレーではアカデミズムの世界とびじねすの世界は双方向です。互いに、行き来します。研究者は、学問的、ビジネス的にも発展がある研究をします。

 

大学では産業界の研究者を受け入れることもします。大学での博士課程の人材も、産業界との協同研究において評価されれば、就職のオファーが来ます。

 

産業界と大学は協同研究をすることで、お互いにメリットを得ています。研究者、大学院生、教授らがスタートアップを立ち上げる例もあります。

 

また、産業界に移った研究者が新しい理論を発見して、大学に戻ることもあります。躍進した人材はスタートアップのメンターになったり、かなりの儲けを得た人はエンジェル投資家になったりします。

 

日本のように大学から産業界に知財が渡るという一方通行ではなく、双方向なのがシリコンバレーなのです。

 

また、アルゴリズム革命により、シリコンバレーでは今後も飛躍があるでしょうが、日本だけが取り残されています。

 

ですが、IoTの分野では、ソフトウェアのアルゴリズムではなく、モノ(ハードウェア)が関係しているので、日本企業もシリコンバレーとの関係を深めるチャンスはあります。

 

産業革新機構を中心にソニー全日本空輸などの大企業が出資して生まれたVC「ウィル(WiL World Innovation Lab)」は、日本企業とシリコンバレーを結ぶ架け橋となるべく動いています。

 

日本の技術力を持った中小企業がシリコンバレーと連携できればさらに言うことがないでしょう。その架け橋として、「リンカーズ(Linkers)」というスタートアップがあります。

 

日本国内の中小企業を日本の大企業とつないでいます。大企業が自社ではやりきれない案件(特殊技術を要する、コスト的に外注したい、細かすぎて自前ではペイできないなど)をリンカーズに投げると、地元商工会をはじめとした目利き役のコーディネーターが「そういう案件なら、この会社」と投げ返してくれるのです。

 

そこからさらに、2、3社に絞り込んだ時点でNDA(秘密保持契約)を結び、詳細を詰めて、最終的に契約成立という流れになります。大企業経由で中小企業が世界(シリコンバレーなど)へとつながる仕組みです。

 

インドの話と「「業界再編時代」のM&A戦略 No.1コンサルタントが導く「勝者の選択」」からの引用・まとめ

インド南部の諸都市(バンガロールが中心)はソフトウェア開発の集積地です。ここも、インド人脈を通じてシリコンバレーとつながっています。台湾はハードウェアや半導体の製造で世界的なセンターになっています。

 

ここも、シリコンバレーと華僑人脈でつながっています。アップルのハードウェアを台湾の鴻海が製造しているのは、歴史的なつながりからです。グローバルなネットワークを構築し、起業家同士が連携し合っています。

 

今や、ビジネスモデルが、ハード・ソフト・通信・コンテンツなどあらゆるものに広がっているので、大企業1社では解決不可能なのです。

 

そのため、勝ち組起業集団が大企業に取って変わるようになってきました。現在、ユダヤ人、インド人、華僑たちと渡り合っていくネットワークに所属しなければ、、情報も入ってこないようになっています。IT業界も連携し合っているということです。

 

連携の話で言えば、M&Aも活発化しているようです。業界再編ともいいます。

 

「「業界再編時代」のM&A戦略 No.1コンサルタントが導く「勝者の選択」」という本によれば、2015年時点で、8つの業界(IT業界、住宅・不動産関連業界、電気工事業界、介護業界、人材紹介・人材派遣業界、物流業界、製造業業界、学習塾業界、業務用食品卸売業界)で業界再編が起きているといいます。

 

 

業界再編とはある業種・業界で強い企業やオーナー経営者が集まって「強者連合」をつくり、産業構造を変え、新しいビジネスに挑戦していくことで業界の勢力図を変えていくことです。

 

しかも、大手企業同士の買収合戦ではなく、優良な中小・中堅企業が業界再編をリードしています。どの業界も最終的には4社に集約される歴史があり、再編の波に乗り、中堅・中小企業はM&Aによって「圧倒的高値の売却」と「会社の飛躍的成長」を実現しないといけません。オーナー経営者の判断力が求められます。

 

中小・中堅企業も大手に買収されるのには売り時があります。売り時のタイミングで買収されないと、高値で買ってもらえないか、衰退の道を歩むことになります。

 

加えて、中小・中堅企業は後継者不足に悩んでおり、また、従業員の雇用や会社の未来を考えて、高値でM&Aしてもらうことで、生き残りを図ろうとしています。

 

この本は著者の中小・中堅企業に対するM&Aの勧めという宣伝本ですが、業界再編の流れは起きているのだろうと思います。企業は、連携をしないと、生き残れないのです。

 

連携の話のまとめ

連携の話をまとめます。情報革命により、モノ(例えばトヨタの年間販売台数1000万台)より、情報(Facebookのユーザー数16億人)の方が拡大しています。集客力が大事な時代になったということです。

 

そこでは、エコシステムが鍵となります。シリコンバレーやハードウェア製造拠点の台湾、ソフトウェア開発拠点のインド、暗号や無線通信技術の研究開発拠点のイスラエルなども含まれるでしょう。

 

もはや、一企業だけでは優位性を保てないのです。それぞれのナンバーワンの専門分野の企業と連携し合わないと生き残れません。アップルは日本を素材・部品メーカーとして扱い、台湾のホンハイに製造を受注し、アプリを他人に作らせています。

 

一企業で孤軍奮闘していません。情報革命の時代ではエコシステムはグローバルであり、開かれています。華僑やユダヤ人やインド人などのネットワークを使ったり、他社や他者(AppleのアプリやYoutubeのコンテンツなど)を上手く使わないと、優位性が保てない時代なのです。

 

連携し、エコシステムを構築するには、各企業が参加するメリットを享受できる構想が必要となります。そして、各自企業も、構想に参加できるだけの強みを持たないといけません。

 

提供できる価値や強みがなければ、構想から外され、エコシステムに参加できないのです。

 

連携が大事ということは要は、環境が大事という話にもつながります。起業家が生まれる条件として「起業家を身近に知っている」「起業のチャンスが溢れていると思っている」「起業のやり方を知っている」の3点があります。

 

この3条件がシリコンバレーには揃っています。友達に実際に起業して大成功した人がいたら、自分でもできそうな気がするのが人間というものです。良い勘違いが発生するのです。

 

イノベーターとイノベーションの普及について

イノベーターが続々と生まれる条件も、「イノベーターを身近に知っている」「イノベーションのチャンスが溢れていると思っている」「イノベーションの起こし方を知っている」の3点です。

 

進学校に入ると勉強しやすくなるのは周りが勉強しているからです。環境が大事なのです。リクルートから次々と新規事業が起こるのはなぜか?といえば、周りが続々と新規事業を起こしているから、自分でも起こせそうな気がするからです。

 

イノベーションの起こし方は、「起業トレーニング」や「起業コンテスト」などが有効なようです。

 

次に、イノベーションの普及について書きます。ユーザーイノベーションという新語が

印象的でしょう。

 

まず、イノベーターが最新技術に飛びつき、次の階層のアーリーアダプターが「新しい使い方」のアイデアを生み出す構造となります。イノベーターが、この「新しい使い方」のアイデアを取り入れると、イノベーターとアーリーアダプターの知識が融合して、大きな価値につながるイノベーションを発生させます。

 

また、イノベーターは情報発信力も高いから、「新しい使い方」のアイデアは幅広い層に伝わり、キャズム(溝)を超える動きとなります。このような状況下で、今、普及している商品についてのユーザー(イノベーター)の意見を聞くことが、キャズムを超える道となります。リスクも小さいし、素早いマーケティング活動となるでしょう。

 

しかし、イノベーターがアーリーアダプターの声を聞かないと、アーリーアダプターからの「新しい使い方」のアイデア提案が取り込まれず、両者の知識が融合されず、大きな価値を生み出すイノベーションはゆっくりとした動きとなります。

 

この動きの下では、企業側は\不明なユーザーの突飛なアイデアを探すことになります。フィードバックが明確ではないので、大きな価値のイノベーションへの道が見えてこず、リスクを感じる企業が多くなります。そうなると、意思決定などが遅くなります。

 

または、イノベーターだけの意見を参考にすることで、マニア化し、ガラパゴス化します。従来の日本のガラパゴス化とは機能差別化偏重であり、イノベーターだけの意見を取りいれてきた結果なのです。

 

アーリーアダプターの意見を軽視しすぎたし、イノベーターが聞いてきませんでした。イノベーターは企業側と最も近い価値観の層なので、イノベーターの言葉は理解しやすいです。

 

そして、イノベーターは他の層と比べて、知識は最新であり豊富です。ですが、イノベーターは市場全体の2.5%しかいないと言われているので、想定外の使い方を提案できないし、網羅できません

 

むしろ、保守的な使い方に安住してしまうケースが多いです。想定外の使い方やアイデアの概念の域を超えないのです。アーリーアダプター層以降の人間の意見を聞かないといけません。

 

アーリーアダプター層はイノベーター層から情報を受け継いで、その後の層にその技術が普及するかどうかを見極める役割(ゲイトキーパー)を担っています。

 

さらに、アーリーアダプター層はその技術を自身のニーズに適合させることによって、社会的な意味を変化させ、イノベーションの普及を推進する役割を担います。

 

再翻訳するという意味で、「リ・インベンション(再発明)」とも言われています。そして、この役割によって、アーリーアダプターは、他の層のロールモデルとして尊敬され、普及を左右する影響力を持つオピニオンリーダーとしての性質を伴います。

 

従来、カイゼンは現場のエンジニアや職人らの自発的な技術革新への欲求によってなされてきたと思われてきましたが、1990年代の日本の携帯電話やSUVの進化を観察すると、それだけでは、カイゼンという現象を説明できません。

 

イノベーター的ユーザーよりも、アーリーアダプター的ユーザーの方が興味深いアイデアを生み出します。日本ではインフルエンサー効果が弱いので、アーリーアダプターのアイデアカイゼンに活かすことができたのです。

 

ユーザーイノベーションが起きていたのです。ユーザー不在のインパクトファクター至上主義、供給者側からの発明重視主義では、ユーザー発の大きなイノベーションへの道は見えてきません。

 

アメリカはインフルエンサー効果が非常に強く働くので、インパクトファクター至上主義や発明重視主義は効果的です。ユーザーを巻き込むユーザー発のイノベーションも考慮に入れておきたいです。

 

ユーザー層をイノベーター(2.5%)、アーリーアダプター(13.5%)、アーリーマジョリティ(34%)、レイトマジョリティ(34%)、ラガード(16%)と、新製品や新技術の普及段階に応じて区分けしている概念があります。

 

イノベーターとアーリーアダプターの両方(16%)を合わせた段階を超えれば、キャズム(溝)を超えたということで、普及の段階に入ったと推察されます。

 

イノベーションの普及への反論と「あなたの会社にイノベーションを起こす新事業開発スタートブック」からの引用・まとめ

ちなみに、この概念について反論をしているブロガーがいて、次のブログに詳しいです。http://www.landerblue.co.jp/blog/?p=13064 タイトルは、「ネットからマジョリティへの認知にはキャズム(溝)が深すぎるという講義」です。興味がある方は一読を。

 

イノベーターだけのフィードバック(反応)を参考にしていたら、ガラパゴス化するという話でした。イノベーターはその製品に詳しい反面、想定外の使い方は提案してくれないのです。アーリーアダプター層の反応も参考にする必要があります。

 

さらに、アーリーアダプター層がその後の普及への鍵を握る門番みたいな役割を果たしています。また、日米でユーザーイノベーションの構造は違います。

 

インフルエンサー(ものすごく影響を与える人)効果が日本は弱いのです。アーリーアダプター層が日本ではイノベーションに貢献してきました。

 

日本で、企業側だけの創意工夫(イノベーション)では限界があるということでしょう。ユーザー側からの想定外の使い方の提案によって、イノベーションはさらに進むのです。

 

また、「あなたの会社にイノベーションを起こす新事業開発スタートブック」という本から、一部引用・まとめ します。P112から。

 

 

イノベーター。「オタク」。新しいものなら何でも飛びつく人。

アーリーアダプター。「必要とする人」。自分の課題を解決するために買う人。

アーリーマジョリティ。「選ぶ人」。商品を評価し選択する人。

レートマジョリティ。「普通の人」。

 

新事業の場合、狙うべき顧客は「必要とする人」です。自分の問題を解決するために、あなたの新しい商品を必要とする人たちだからです。

 

デジカメの場合ならば、彼らは日常の写真には銀塩カメラを使っていて、とくに不満は持っていません。しかし、ホームページ用に写真をアップするという問題を解決するには、デジカメが必要です。

 

彼らのニーズに応え、事業をつくっていくためには、あなたの製品が問題を解決する彼らを「発見」し、解決策を「提案」する必要があります。

 

それに対して、次の「選ぶ人」にとってはあなたの商品は必要ではありません。彼らはあくまで、既存の商品と比較検討したうえで、あなたの商品を選ぶのです。

 

一度「選ぶ人」たちが選んでくれれば、あとはほぼ自動的に「一般の人」に顧客層を広げることができます。

 

しかし、この「選ぶ人」を納得させるためには、新商品全体を既存製品より優れたものにする必要があり、新事業としては非常にハードルが高いです。このハードルをキャズム(断崖)」といいます。

 

まずは、「必要な人」を探しあて、彼らが必要とする商品を提供することを考えましょう。さらにこの先の「普通の人」が買ってくれるような一般市場を狙うならば、このキャズムを乗り越える必要があります。以上、ここまで。

 

こういうイノベーターら4つの階層の分け方の切り口もあります。非常に参考になります。

 

私の本は、参考文献からかなりアイデアを借りました。参考文献を掲載したり、引用元を示したりしたのは、著者に敬意を示したためです。ちなみに、引用は、多少、内容ではなく、文体や形式や長さを変えていることはご承知ください。

 

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参考・引用文献。

シリコンバレーで起きている本当のこと」

「「業界再編時代」のM&A戦略 No.1コンサルタントが導く「勝者の選択」」

ネット記事「ネットからマジョリティへの認知にはキャズム(溝)が深すぎるという講義」

「あなたの会社にイノベーションを起こす新事業開発スタートブック」