「今の日本の教育改革のネタ元本7 第13章」(ネタ元本7には第11章と第12章と第13章が入ってます)を無料で公開します。

目次

  
  1. 今の経営状況
  2. 経営戦略論
  3. M&Aなど
  4. 拡大路線だけが全てではないという視点
  5. 「「公益」資本主義」という本からの引用・まとめ

 

今の経営状況

  

「今の日本の教育改革のネタ元本7 第13章」を無料で公開します。無料で読んでもらい、内容が良いと思ったなら投げ銭(100円でnoteで公開中。あくまであなたの意思です)してもらいたいと思います。

 

投げ銭をしたい方は、以下の記事か、HP上のリンク先からnoteに飛んでください。

 

 

第13章「そもそもイノベーターを前提とする社会システム自体に問題があるとしたら」

 

第11章で、資本主義の限界という衝撃的な視点を紹介しました。この章では資本主義の限界をさらに細かく見ていきます。「賢い企業は拡大主義より永続主義」という本を参考にさせてもらいました。

 

 

そもそも、イノベーターを必要とする社会(資本主義)がおかしいのでは?という視点です。

 

高度成長時代はまだまだ豊かになっておらず、消費者が欲しい製品やサービスは満ち溢れていました。なので、規模の経済により、コスト削減し、大量生産して普及させる作戦が通用しました。

 

しかし、現代は「よほどの差別化された製品やサービス」じゃないと、売れません。iPhoneのような画期的なスマートフォンのような製品じゃないと、消費者は見向きもしないのです。それだけ物質的には満たされた社会だということです。

 

現代では少々改善した製品やサービスを宣伝により、無理やり売れるようにしています。液晶テレビまではまだ良いですが、4Kテレビの画質は多くの消費者は望んでいるのでしょうか?

 

つまり、資源の無駄遣いをしているのであり、永続的じゃないというわけです。常に売上を上げないと、企業が存続できない社会がおかしいのでは?という視点です。

 

成熟した市場では売上拡大が望めないのであれば、海外へ活路を見出したり、他企業からシェアを奪う競争になります。消耗戦です。

 

それでも売上が上がらなければ、企業はコスト削減に走ります。原材料は言うまでもなく、社員を非正規にしたりします。

 

こういう行動を採ると品質が下がります。多くのホテルでのメニュー表記の仕様原材料の偽造が典型例です。

 

 

経営戦略論

このような消耗戦になった場合、拡大成長路線を採るのであれば、コストリーダーシップ戦略、つまり、海外に工場を移したりしてコスト削減を図り、安さで勝負する道もあります。この戦略は、ナンバー1企業しか採れません。他には差別化戦略もあります。

 

「範囲の経済性」という多種類を生産した方が利益が出るという経済理論もあります。少品種の原材料を共通利用して他種類の製品を造り、原材料の利用効率を高めることで利益を出す手法です。

 

例として、中華料理店などが挙げられます。飲食店のようなビジネスには通用しますが、大規模な産業設備を有する企業では通用しません。詳しくは本で。

 

例として、近年のJRの鉄道事業における駅ナカ開発が挙げられます。飲食店でも、1店舗のみであれば、範囲の経済性が成立しやすいですが、何百というチェーン店になると、規模の経済に依存します。

 

また、チェーンレストランなどでは労働集約的なビジネスなので、人件費がゼロにはなりません。(ロボット導入なら別かもしれません) 

 

なので、料理やサービスなどの高品質化による差別化戦略が良いということになります。差別化戦略ではなく、安さ勝負になると、人件費圧縮のため、1人の従業員を酷使するブラック企業状態に陥ります。

 

M&Aなど

あとはM&Aなどです。TOB (Takeover bid)やLBO(leveraged buyout)などの手法によって、買収します。ハゲタカファンドと呼ばれる買収直後の売却益を狙うだけの投資ファンド企業さえあります。

 

買収された側の企業の従業員は士気が低いケースが多いです。不祥事もそういう企業で起こります。

 

また、株主は利益ばかり求めますから、企業の拡大主義を望みます。よって、今まで述べた手法が採られ、従業員は士気が下がりやすいのです。

 

拡大主義の弊害を打破するためには過剰在庫を発生させないための需要に応じた供給システム(アパレル業界のSPAなどが有名)とイノベーター的需要促進策だったのです。しかし、これらの策も尽きると、M&Aに走るわけです。(買収企業の売却益狙いも含みます)

拡大路線だけが全てではないという視点

著者は通常の企業の場合、他社のシェアを奪おうが、技術革新に依ろうが、マーケティングによる需要鼓舞策に依ろうが、M&Aに依ろうが、従業員を無視し、株主・利益重視のビジネス拡大路線は永続性がないと主張しています。

 

それよりも、中小企業でも100年企業になったほうがいいのでは?という提案です。資本金は5000万円未満の会社で、従業員数は10人未満ないしは50人未満で、年商10億円未満の会社が、100年以上の長寿企業になりやすいのです。

 

それに対して、拡大企業はほとんど長寿企業にはなりにくく、30年ぐらいから90年くらいしか生きられないとのことです。永続企業の条件として、利益剰余金の資産合計(総資産額)が60%になることだといいます。この状態になると、無借金経営になります。

 

会計部分の解説が詳しく書いてある本なので、興味ある方はぜひ読んでもらいたいと思います。ちなみに、著者はROEを否定しています。ROAの方を勧めています。これは小宮一慶氏と同じ主張ですね。

 

私はイノベーターを重要視していると書いてきましたが、そもそもイノベーターを必要とする社会システムそのものがおかしいという視点に、著者の本によって気づかされました。

 

また、イノベーターによって、新需要を開拓しなくても、永続企業(100年以上の企業)を目指すことは可能なのかもしれません。拡大路線だけが全てではないという視点は斬新でした。100年企業の中小企業を目指すという選択肢もあるのですね。

 

永続企業という視点で言うと、2008年時点で200年以上の歴史を持つ企業が世界41カ国では5586社ありましたが、そのうち3146社が日本企業です。

 

日本は「世界一の老舗企業大国」なのですね。ちなみに、世界最古の企業は日本企業であり、578年創業で、神社仏閣の建築を手がける「金剛組」(こんごうぐみ)です。

 

「「公益」資本主義」という本からの引用・まとめ

ここで、従来の資本主義(アメリカ型であり、株主資本主義)を否定する本「「公益」資本主義」という本からの引用・まとめです。

 

 

株主資本主義。

 

短期の勝負=別名カジノ資本主義

新たな富を生まない=単なるマネーゲーム

ゼロサムゲーム。一部の超富裕層と大多数の貧困層を生む。

英米の金融界、メガファンド、投機家、ウォールストリートが望む資本主義。

 

公益資本主義。

中長期の勝負。

新たな富を生む=プラスサムゲーム。

層の厚い中間層を生む。

大多数の日本人と、世界の大多数の国民が望む資本主義。

 

金融危機は常にバブルの崩壊によって起こります。株価などの乱高下で儲かるのは投機家だけです。バブルと危機を繰り返す経済はいつまでも続けられません。社会と働く人々を疲弊させるからです。以上、ここまで。P172~173.

 

公益資本主義はすべてのステークホルダー(利害関係者)を幸せにすることを目指していますし、持続性を考えています。

 

株主資本主義はROE(自己資本利益率)を重視し、株主ばかり重視しがちですが、公益資本主義はROC(Return on Company)という指標を作っています。

 

ROCは「会社を支える社中全体への貢献度」を測る指標です。

 

公益資本主義における利益は従業員には「給与」「教育」「福祉」、株主には「配当」「株価上昇」、顧客には「安全性」「品質」、仕入れ先には「適正価格での購買」、地域社会には「貢献」、地球全体には「環境」、そして会社自身には「内部留保」という形で分配されます。このすべてが「社中」であり、「利益」を公正に分配すべき対象となります。

 

中略。

実際に上場企業の財務データに適用してみたところ、ROCが高くなれば、数年後のROEも高くなる傾向が見られました。この意味では、長期にわたってROEを上げるには、ROCを高くすればよい、ということになります。

 

「企業は社会の公器である」と考え、ROCは中長期的な観点に立つ経営を行って社中全体に利益を還元する企業を高く評価する指標で、実際、こうした企業の方が将来にわたって大きな利益をもたらすのです。この意味では「長期的にみたROE」と捉えることもできます。 

 

ROCと株価をリンクさせる投資理論が完成すれば、投機家もその魅力に気づき、中長期的な経営や社中分配を行う企業を選んで投資するようになります。中長期的な経営を行う企業が増え、利益を上げ、しかもマーケットで評価されていることが知れ渡れば、日本発の新しい資本主義=公益資本主義は、たちまち世界中に浸透していくことでしょう。以上、ここまで。P193、194。

 

従来の株主資本主義は株主ばかり重視しすぎで、その他のステークホルダーを軽視しすぎており、企業も世の中も持続性がなく、株主ばかり大儲けして、格差もアメリカでは特にゆがんだ構造となっていました。この構造に警鐘を鳴らし、解決策まで述べたのが著者の本です。

 

以下、解決策の目次だけ、載せておきます。詳しくは本で。

公益資本主義を実現するためのルールづくり。

ルール1 「会社の公器性」と「経営者の責任」の明確化。

ルール2 「中長期株主の優遇」。

ルール3 「にわか株主」の排除。

ルール4 保有期間で税率を変える。

ルール5 「ストックオプションの廃止」

ルール6 「新技術・新産業への投資の税金控除」。

ルール7 「株主優遇と同程度の従業員へのボーナス支給」

ルール8 「ROEに代わる新たな企業価値基準「ROC」」

ルール9 「四半期決算の廃止」

ルール10 「社外取締役制度の改善」

ルール11 「時価会計原則と減損会計の見直し」

ルール12 「日本発の新しい経済指標」

 

以上、イノベーター必要論についての反論も織り込んでみました。第14章以降ではさらに新しい論点で分析していきます。

 

私の本は参考文献からかなりアイデアを借りました。参考文献を掲載したり、引用元を示したりしたのは、著者に敬意を示したためです。ちなみに引用は、多少、内容ではなく、文体や形式や長さを変えていることはご承知ください。

 

本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信、送信、ホームページ上に転載することを禁止します。また、本作品の内容を無断で改変、改ざん等を行なうことも禁止します。有償・無償にかかわらず本作品を第三者に譲渡することもしないでください。

 

参考・引用文献。

 

「賢い企業は拡大主義より永続主義」

 

 

「「公益」資本主義」