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目次

  
  1. 序章「今の日本の世の中の構造を把握する」
  2. 日本の現状分析
  3. 国の借金について
  4. アベノミクスの採点基準
  5. 日本の格差
  6. アメリカで起きていることと日本企業の低迷要因
  7. 内需の割合が大きい
  8. GDPの話
  9. 日本が世界最強?
  10. Jカーブ効果と輸出の話
  11. 内部留保の話

 

 

序章「今の日本の世の中の構造を把握する」

  

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まずは、こちらの記事をご覧ください。

 


 

 

そして、序章に続きます。

 

序章「今の日本の世の中の構造を把握する」

 

まずは今の日本の世の中の構造を把握しましょう。世の中は、マクロ(全体)とミクロ(個々)に分けて考えることができます。マクロ経済ミクロ経済という言葉もあります。ミクロ(個々)が積み上げてきた行動がマクロに影響はしますが、マクロの動向も、ミクロに影響します

 

例えば、ほとんどの株価は個別の株価でも、マクロ経済全体の動きの影響を受けて動く部分が7~8割あると言われています。好景気なら、個々の企業の業績(株価含む)が比較的良いのです。逆に不景気なら、個々の企業の業績は総じて悪くなりますマクロ経済を良くすることは日本の国力を上げるために必要です。

 

次に、冨山氏の提言で有名ですが、日本の経済はG(グローバル)L(ローカル)に分かれています。冨山氏の内容を拝借していきます。ここからは「選択と捨象」という本の内容をまとめたものです。

 

G型製造業やIT企業を中心とした大企業です。競争相手は世界であり、スポーツに例えればオリンピックです。日本国内に拠点を置くことに比較優位がないと、海外に打って出る企業が多くなります

 

L型小売りや卸売り、交通、物流、福祉、保育、介護、医療といった地域密着型の労働集約的なサービス業です。スポーツに例えるなら、地方大会です。生身の顧客に対面してサービスするので、海外に脱出する企業はないでしょう。

 

G型L型では求められるスキルもタフさも違いますオリンピック地方大会で、提供すべき教育が異なるのは想像できますよね。

 

そして、日本経済の将来はGの世界ではなくて、Lの世界左右されるといいます。世界の先進国共通の傾向で、ドイツと日本はほぼ同じで、アメリカはLの世界の経済への依存率が高いそうです。

 

現在、アベノミクスの金融緩和と財政出動企業統治改革により、G型の企業は比較的、好調です。株価も大幅に上がりました。しかし、アベノミクスの恩恵はGの世界の住民、つまり、GDP比で3割、就労者数比で2割に限られます

 

上場企業と非上場企業の国内総生産(GDP) に占める割合も3対7製造業と非製造業(≒サービス業)GDPと雇用に対する割合も3対7なのです。おまけにGの世界とLの世界で働く労働者では賃金の差が2倍近くあるといいます。

 

かつてはL型の中小企業G型の大企業の下請け、孫請けでしたが、今はL型の中小企業の9割はサービス業です。産業関連性がないため、大企業が儲かれば中小企業が儲かるというトリクルダウン(富のこぼれ落ち)が起きないのです。

 

バブル崩壊後、四半世紀にわたって、過剰供給生産、デフレ不況、需要不足に悩まされてきた日本企業はいよいよ供給制約(人手不足)の時代に入りつつあります。となれば、Lの世界の供給制約の解消、すなわち、労働生産性と労働参加率を上げること、とりわけ賃金上昇への好循環を促すには、持続的な生産性向上を促す経済政策が重要になってきます

 

日本のLの世界は今、人手不足であり、また労働生産性(生産付加価値÷投入労働時間)が低いです。これを改善するには規模より密度だといいます。例えば、コンビニエンスストアセブン-イレブン・ジャパンは、店舗を集中出店して、立地の密度を高める戦略をとっています

 

物流の効率を高めれば店舗の売り上げが多少落ちても、物流のコストを下げて、十分にカバーすることができるからです。しかし、ドミナント戦略に近いビジネスモデルを採った多くの企業が失敗している事実もあるので、ドミナント戦略だけがセブン-イレブン・ジャパンの成功を表しているわけではないです。また、最初からドミナント戦略を考え、実行していたのではないようです。

 

偶然の要素もあったと思われます。計画通りにビジネスが上手くいくことはほぼなく、試行錯誤の連続と偶然により、成功するのがビジネスなのでしょう。ドミナント戦略については「ビジネスモデル思考 既存ビジネスから「イノベーション」を生む7つの視点」を参考にしています。

 

さて、労働集約型産業ではブラック企業が問題になっています。人件費率が高いので、低賃金で長時間労働をさせると短期的には経営者の利益になるからです。そういうゾンビ企業でも、税金を使って、信用保証協会融資雇用調整助成金、あるいは中小企業金融円滑化法お目こぼしの労働基準監督行政など、ありとあらゆる方法を駆使し、会社を延命させて、失業率を小さくみせてきました。これからは、生産年齢人口の減少により、人手不足が深刻化します

 

Lの経済圏の持続・発展のためには、居住の集約化が大事だといいます。コンパクトシティ供給側、需要側双方にメリットをもたらします地方の中核都市に人を集めるべきでしょう。

 

農業全人口に占める割合の約2%であり、東京、名古屋、大阪以外の地域でも、4~5%の県が大半です。地方の大半において、農業よりも医療や介護、保育といった社会福祉サービス業の就業者のほうが多いのです。加えて、農業の労働生産性はサービス産業よりもさらに低く、賃金も低いです。 以上、ここまで。

 

L型の改善案については、冨山氏の著書「選択と捨象」を読んでください。

 

 

または、冨山氏「IGPI流ローカル企業復活のリアル・ノウハウ」もいいかもしれません。

 

 

私の本ではG型の改善案を中心に述べていきます。(GDP比ではL型の方が規模が大きいのですが、その改善策は上記の2冊や、冨山氏など他の方に任せます) G型は製造業ITを中心とした大企業だと述べました。これらの企業で活躍する人材を、現在の高学歴が果たして輩出しているかどうかが問題です。または、G型に将来なりそうなベンチャー企業についても考察します。

 

日本の現状分析

G型で高学歴が活躍しているか?という論点は、後で述べることにして、まずは日本の現状分析をすることにします。

 

1995年時点で日本のGDPアメリカの約7割ヨーロッパの約半分の水準でした。世界中のGDPに占める割合でも日本は17.3%、つまり人口1億ちょっとで、世界中の人口約57億人の所得の2割弱を得ていました

 

しかし、今や、アメリカは日本の3.7倍、ヨーロッパは4.7倍の水準に至りました中国にさえ2倍を軽く超えられています。逆に言うと、日本のGDPは中国の半分、アメリカの4分の1、ヨーロッパの5分の1程度しかない国になったということです。

 

GDPで言うと、アメリカは約2000兆円、中国は約1200兆円、日本は約500兆円というわけです。(番外編として、ロシアは約220兆円です) かつての2割程度(17.3%)の世界のGDPに占める日本のシェアは、おおよそ20年で、たった3分の1の5.9%にまで凋落しました

 

「日本はなぜ負けるのか インターネットが創り出す21世紀の経済力学」という本によれば、GDPが上がっていないのは日本だけであり、その要因として、ネットの活用(回線の整備でではなく)が進んでいないからだと述べています。そして、アメリカではネットの活用が特に進んでおり、参考にしたいところです。

 

国の借金について

 

高橋洋一氏の「これが世界と日本の真実だ」という本によれば、借金1000兆円といいますが、資産は0兆円(タイプミス。調査中)あり、政府の関係会社も考慮して連結してみると借金は200兆円になると言っています。

 

その資産の多くは金融資産なので、換金可能だとのことです。日本では毎年30兆円以上の税金徴収は最低でもできるのですから、その資産価値は数百兆円以上になります。たとえば、毎年30兆円、将来割引率4%としても、その現在価値は750兆円もあります。

 

政府バランスシートで見ても、統合政府バランスシートで見ても、債務超過ではないということになります。徴税権抜きの連結バランスシートで150兆円の債務超過なので、徴税権750兆円を資産に換えると、600兆円の資産超過です。これは、あと600兆円の国債を発行しても政府の財務は問題ないということになります。P108~114。

 

この意見に反対しているのが「ポスト・アベノミクス時代の新しいお金の増やし方」の著者である加谷珪一氏です。以下、引用です。

 

国内では日本政府は資産をたくさん持っているので大丈夫という議論がありますが、資産との相殺を行ったネットの数値においても日本の政府債務比率は突出しています。さらに言えば、政府が保有しているという資産の中身も重要です。確かに日本政府は930兆円の資産を保有していますが、この中で換金性の高い資産はあまり多くありません地方自治体や独立行政法人に対する貸付け、固定資産などの多くは実質的に価値がないと思ってよいでしょう。単純に資産を持っているから大丈夫という議論には少々無理があるのです。P67、68。

 

資産の換金性について私は調査できないのですが、真っ二つに意見が割れています。ちなみに、財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済」の著者の上念司氏も、高橋洋一氏支持者でしょう。

アベノミクスの採点基準

高橋洋一氏はアベノミクスの採点基準は2つあると言っています。金融政策「どれだけ失業率を下げられるか」財政政策GDPを成長させられるか」です。高橋氏によれば、金融緩和で失業率は構造失業率にかなり近付いており、90点を付けられると言います。

 

財政問題については、2014年での増税によりGDPを停滞させたことはありましたが、その後の増税再延期の判断は正しかったので、半分の50点を付けられるそうです。金融政策6割、財政政策4割の配点なので、54点+20点の74点だそうです。今後の財政政策や構造改革により+αの加点が期待できるとのことです。

 

しかし、私は思うのです。失業率の低下の大きな要因は若年労働人口の減少だろうと。

過去10年間で25~35歳の労働力人口は2割も減少しています現在の人手不足(特に、飲食などのサービス業は顕著)により、失業率が低下したと言えます。好景気だから、失業率が低下したわけではありません

 

よって、企業は賃金を上げづらくなります。それに和を掛けるように、中高年層の労働者の増加(パートタイムの低賃金者)により、正社員は若者を中心に少数精鋭化しました少数精鋭の正社員もパートタイムの中高年も賃金は上がりにくいです。

 

日本の65歳以上の労働力人口過去10年間で、男性は約40%、女性は約50%も増えています。さらに、日本の解雇規制(正社員を解雇できないなど)が人件費抑制に働きかけます正社員を解雇できないから、若者をより選別して、少数精鋭の正社員化につながりますし、中高年は賃金を下げられパートタイム的になります

 

ところで、失業率の低下により、雇用が増加することで、自殺率の低下、犯罪率の低下、生活保護受給率の低下になると高橋氏は言っています。自殺率については記述があり、民主党政権の2010年から2012年における平均自殺者数は年間2万8300人で、自殺率は10万人あたり22.4人でした。

 

対して、2015年には自殺者数は2万4025人、10万人あたりの自殺率は18.9%(人の間違い?調査中)と大きく改善したようです。P93。しかし、生活保護受給率は過去最大になったという記事があります。

 

高橋氏は、「60歳になってから高給取りを目指すのは無理だし、年金を支払ってこなかったことを責めても仕方ない」と言っています。つまり、私が思うに、生活保護受給率が最大になったのは老人の受給率が増えたことが原因なのでは?という仮説です。失業率低下(同時に雇用増加)により、生活保護受給率が低下するのでしょうか?

 

今後、老人の貧困が増えるならば、生活保護受給率は逆に上がる可能性もあると思います。貧困の中心が若者から中年ぐらいであれば、失業率低下(同時に雇用増加)は生活を安定させるので、生活保護受給率は低下するでしょう。高橋洋一氏の見立てに疑問を抱いています。

 

日本の格差

さて、日本の格差は下方向で拡大しているようです。

相対的貧困率(可処分所得が中央値の半分以下の人の割合)で、2012年の数値は16.1%となっています。先進国ではかなり高い数値であり、これほどまでの貧困率アメリカと日本ぐらいです。欧州各国では1桁台がほとんどです。

 

上方向の格差は日本以外では拡大しているようです。好景気の時に一般的には格差は増大します。それは、資産価格(利子や配当や家賃収入やキャピタルゲインなど)が上昇し、資産からの所得が増えるからです。

 

株価や不動産価格が上がれば、金持ちはいっそう金持ちになります。日本でもっとも金持ちが多い市区町村は東京都港区ですが、給与所得だけで見れば、ここ数年間はほとんど上昇していません。しかし、株式の売却益などを含めると、港区民の所得は1.5倍に拡大しています。しかし、累進課税制度などを含めた高所得層への高い税率や、社会保障制度などを考えると、日本の上方向への格差はそれほどでもないようです。P42~45。

 

アメリカで起きていることと日本企業の低迷要因

さて、日本の現状分析をある程度しましたが、では、アメリカでは何が起きているのでしょうか?それは、イノベーションです。ITを中心に新興企業が続々と出ましたAppleGoogleMicrosoftAmazonの躍進は記憶に新しいところです。

 

対して、日本の産業は昔ながらのトヨタなどを中心とした製造業です。東芝、シャープなどの電機産業は壊滅的になりました。ソニーは何とか堪(こら)えていますが、Appleとの差は明白です。

 

日本企業の低迷の要因として、「6重苦」があると言われています。

1 過度な円高、2 高い法人税率、3 厳しい労働規制、4 貿易自由化の遅れ、5 温室効果ガスの排出抑制、6 電力供給事情への不安 です。しかし、安倍政権により、これらの大方が解消に向かいました。残る課題は「岩盤規制の緩和」「成長分野の開拓」などでしょう。

 

しかし、円高に進むことはあっても円安に戻ることはないと予測されており、原子力発電への依存度も今後、減るので、電力供給への不安は尽きないでしょう。日本の製造業が国内回帰するとしても限定的に過ぎず、もはや輸出立国モデルは崩壊したとも言われています。日本の製造業は輸出立国モデルが崩壊した今、グローバル化に対応した新たなモデル作りが求められています

 

さて、企業価値ランキングでは、Appleが66兆円、Alphabet(元Google)が57兆円、Microsoftが48兆円、Facebookが35兆円、Amazonが30兆円であり、IT企業の活躍がめざましいです。対して、日本の時価総額ランキングでは、トヨタ自動車が18兆円、NTTドコモが10兆円、NTTが10兆円、JTが9兆円、KDDIが8兆円、三菱UFJフィナンシャル・グループが7兆円、日本郵政が7兆円と、古い体制の企業ばかりが目立ちます。

 

さらに、日本人の平均給料は低迷中なのです。日本をアメリカと同レベルまで国力を持っていくためにも、教育改革が必要だと私は感じ、執筆しました。詳しくは第2章以降で書いています。

 

内需の割合が大きい

しかし、こういう意見もあります。三橋貴明の分析です。家電や乗用車の輸出額がGDPに占める割合は非常に小さいです。パーセンテージで見ると、家電・乗用車・家具・住宅などを含む耐久消費財全体でGDPの2.10%、乗用車が1.65%、家電が0.02%しかありません。日本がTPPに参加しても、大きなプラスになるとは思えません。

 

耐久消費財全体でGDPに占める割合が2.10%から2.30%くらいに増える程度ではないでしょうか。日本企業のソニーパナソニック、日立、東芝、キャノン、富士通などの電機メーカーの実際の輸出額がGDPに占める割合は大きくありませんトヨタ、日産、ホンダの乗用車にしても、いまや海外で現地生産するほうが圧倒的に高いのです。日本は耐久消費財の輸出で食っているわけではありません。2010年のデータ。P194。(「プロのグラフ仕事 伝えるためのExcelエッセンス」より) 

 

内需の割合が大きいということでしょう。冨山和彦氏のG型とL型の提言で言えば、L型の地方やサービス業を強化すべきなのかもしれません。私の本ではG型を強化する主張がほとんどを占めます

 

GDPの話

そもそもGDPを増やすには、1 労働力人口の増加、2 資本の蓄積、3 イノベーション(生産性)しかありません労働力人口が増えれば生産力が高まるとともに、消費者でもありますから、市場が大きくなります需要が増えるので、企業も投資していきます人口が減っても、イノベーション(技術革新)があればある程度、補えます

 

イノベーションを起こすには投資が必要です。投資するには資本の蓄積が必要であり、外国に借りると利子や配当が必要になり、効率が悪くなります自国に資本蓄積がある方が有利です。イノベーションが優れていると、同じ人口や資本を使っても、効率よく経済を拡大できますアメリカは人口が増えている上に、イノベーションも上手く活用しました。よって、過去20年間でアメリカはGDPが2.4倍になったのです。。

 

ドイツもGDPを過去20年間で1.8倍、増やしました。(ちなみに、フランスはドル換算で約2倍、新興国もすべてを平均すると約2倍です) 2012年のデータによれば、ドイツの輸出依存度は41.42%であり(輸入依存度は34.36%)、日本の輸出依存度13.44%と比べると、大幅に高いです。

 

ドイツのGDPが増えた理由はEU内において、輸出を増やしたからでしょう。ドイツを見習うとしたら、TPPなどの貿易圏内を作り、日本の輸出依存度を上げて、さらに輸出を増やすことが考えられます日本の内需は今後、縮小していくでしょうから、外需に活路を見出すしかないかもしれません

 

私はアメリカの手法、特に、イノベーションを活用する方法を採りたいと思います。ちなみに、労働時間から見た購買力平価GDPという指数があります。これはGDP労働人口と平均労働時間で割ったもので、要するに、1時間当たりにどれだけの富を生み出しているかを数値化したものです。

 

この指数ランキングで、日本は先進国(アメリカ、イギリス、ドイツ)では最下位で、韓国よりは何とか上です。ドイツはトップであり、日本の約1.5倍、つまり、日本人が1時間働いて儲けが100円だとすると、ドイツ人は同じだけ働いて150円儲けている計算になります

 

この数値の裏には、ドイツの標準化されたサービス、つまり、対応が規則的であり、相手の事情を汲まないことが関係すると思われます。日本は真逆で、おもてなしの文化であり、臨機応変な対応をするので、時間が無駄にかかるのです。

 

そういう意味では、暮らしやすさにおいては日本の方が上でしょう。生産性の数値は低く出てしまいますけども。ドイツ人は長時間労働をする気はない国民性なので、日本とは比較がしづらいかもしれません。

 

ここで、「デービット・アトキンソン新・所得倍増論」の本の著者デービット氏によると、日本が戦後、国力を維持した主な理由は、人口ボーナス(人口による恩恵)のせいという主張を紹介します。

 

GDPに影響を与えるのは人口がほとんどを占めており、日本が戦後、アメリカに次ぐGDP3位に成長できたのは、人口規模のせいだと言います。2000年代に入ってからは、明らかに1人当たりGDPでは劣る中国が、GDPで日本を追い抜き2位になりました

 

ちなみに、現在の日本の1人当たりGDPは27位です。(購買力調整後のランキングです。円の価格変動は激しいので、為替などの影響を排除する購買力潮位製は必要です)

 

さらに言うと、先進国の労働者1人あたり生産性ランキングは17位です。(2015年) これはイタリアやスペインを下回っており、ギリシアより多少上のレベルです。(イタリアは9位、スペインは14位、ギリシアは18位)

 

つまり、さきほどの1人当たりGDPの27位より悪化しています日本は高齢化が進んでおり、65歳以上の比率が26%(2014年)であり、アメリカを除く先進国の高齢化比率もおおむね20%前後となっています

 

日本と並んで高齢化が深刻なのはイタリアやスペインですが、1人当たりGDPはそれぞれ、イタリアが31位、スペインが32位となっています。高齢化が生産性を下げているように見えますが、イタリアの失業率は12.5%、スペインは24.7%であり、日本の失業率は3%台なので、高齢化」という共通点だけでは正確な分析は難しいでしょう。

 

失業率が極端に高く高齢化進行中のイタリアとスペインより、失業率が極端に低く高齢化進行中の日本が「先進国の労働者1人あたり生産性ランキング」で負けているのですから、日本の生産性の低さは深刻と捉えるべきでしょう。(さらに、この本では、アメリカの全50州の中で、日本の生産性は第49位と50位の間、ミシシッピ州より少しだけ上という残酷なデータも提示しています)

 

日本が世界最強?

ところで、日本が世界最強という主張もあります。「上位1%のエリートしか知らない?ニッポン経済世界最強論!」という本からの引用・まとめです。一人当たりGDPは、円ベースだと386万3000円です。

 

為替レートで換算すると、以下になります。

1ドル 120円 3万219ドル。

1ドル 110円 3万5118ドル。

1ドル 100円 3万8630ドル。

1ドル 80円 4万8287ドル。

 

円高になればなるほど、ドルベースでは高く出て、円安になるほど数字は低く見えます。3年前は1ドル80円で、一人当たりGDPはいまでもドイツ(4万7773ドル)を抜いてしまいます。円安になれば豊かになるは嘘だったのでしょうか。

 

また、シンガポールは人口500万人ほどで、一人当たりGDPは5万6286ドルですが、人口が1億人もいる日本と比較するのは適切ではありません東京都だけに絞れば、2014年の名目GDPは94.5兆円あり、仮に1ドル110円で換算してもシンガポールの数字をはるかに超える6万4159ドル相当になります。これなら5位のオーストラリアをも超えてしまいます。(P4~6まで)

 

GDPだけでも、これらのことが主張できます。ですが、円高になるとGDPが増えるというデータがどこから来たのかが不明です。一応、こういう視点があることを紹介しておきます。円高GDPが増えるが事実だと仮にしても、油断はできません日本の国力を維持し、さらに向上させ、他国を寄せ付けないために教育改革を断行する必要があります

Jカーブ効果と輸出の話

また、Jカーブ効果という説「円安になると一時的に価格が下がるため、輸出額そのものは小さく見える。しかし、その後、価格低下による販売増加が見込まれ、これにより輸出量が増える。その分のタイムラグがある」は、間違いです。

 

このJカーブ効果は、輸出商品に競争力があまりなく、価格によって輸出が左右される開発途上国において観察される現象というのが常識だそうです。日本が輸出している製品はコアパーツで、なくてはならないものばかりで、多少高くても買わざるを得ないのです。安くなったからといって倍量を買いません

 

日本製のテレビは円安になるはるか前から、少なくともアメリカでは韓国製より安くしても売れず、たたき売られてました円安で競争力を取り戻せるという単純な話ではないのですね。

 

ちなみに、日本の輸出依存率は15%程度です。その輸出入に使われる通貨の内訳が以下です。(2015年上半期 貿易取引通貨別比率 財務省)

 

輸出 ドル53.9%。円35.4%。ユーロ5.5%。

輸入 ドル71.1%。円22.6%。ユーロ3.7%。

 

円安になった場合にメリットがあるのは輸出全体の5割強ですね。輸入の7割超は円安で価格が上昇します円安で景気を後押しするよりも、輸入によるコストアップのデメリットを受けるほうが高いですよね。(P98~101まで)

 

また、日本の輸出の絶対額は「世界4位」です。しかし、その輸出額はドイツの輸出額の48.3%と、およそ半分です。日本の人口はドイツの約1.6倍にもかかわらずです。韓国との比較では日本の輸出額は韓国の1.17倍です。日本の人口は韓国のおよそ2.5倍もあるのにです。

 

このことから言えるのは、日本の「世界4位」という数値は人口規模からすれば低いと言えます。「1人あたりの輸出額」というデータによると、世界上位100カ国の中で、「44位」になります。アメリカも43位なので気にする必要はないという主張は的外れです。なぜなら、アメリカは人口増加が続く内需の国(人口3億2000万)だからです。

 

対して、日本は移民を受け入れないのであれば人口減少になると思われ、外需に頼らざるを得ないと思います。日本が比べるとしたら、ドイツなのでしょうが、先ほど述べた通り、日本はドイツと比べて人口が約1.6倍であるのに、輸出額は48.3%とおよそ半分になっています

 

日本の輸出額が低い原因は私の本で仮説ですが、突き止めています。それは、後の章で詳しく述べますが、売り方(マーケティングやビジネスの失敗)になります。技術は日本にはある程度、あると思われます。

 

ただし、日本の研究開発費は1708億ドルで世界3位で、アメリカの36.1%と比較的高いのですが、1人当あたり研究開発費になると、1344.3ドルで世界10位に落ちます。(アメリカは世界5位であり、ドイツは1313.5ドルで世界11位です)

 

日本の研究開発費の対GDP比率は3.6%で、これも世界3位です。アメリカは2.7%です。しかし、アメリカ経済の36%にまで縮小したGDPにおいての「3.6%」という数字に優位性はあるのでしょうか。かつては日本のGDPはアメリカの70%の規模でした。それに比べたら、現在の日本の対GDP比率「3.6%」はアメリカの対GDP比率「2.6%」に対して優位があるとは思えません

 

今後、そこそこあった技術の優位性もだんだんと薄れていく可能性があります。日本が大国の座から滑り落ちれば、優秀な人材が来なくなるからです。安全保障にも暗い影を落とすでしょう。アメリカが今までと同じように日本を大事な同盟国として扱うかは不透明です。

 

内部留保の話

内部留保の視点から見ると、違う構造が見えてきます。2002年から2012年までの10年間(リーマンショックを除く)、円高でも輸出額は増え続けています円高が原因で輸出ができなくなる製品は駆逐されるか、生産拠点を海外に移しており、対処済みだったのです。

 

内部留保は354兆円に膨らみましたが、内訳は現金、有価証券とそれら以外(利益剰余金や資本剰余金など)も含めて内部留保となっています。企業の現金・預金の合計額は2015年12月17日の第3四半期速報値で247兆円です。(資本金10億円以上の大企業)

 

247兆円の10%、25兆円近いお金を取り崩せば、日本のGDPの5%の貢献になります消費税増税が必要なくなりますもし内部留保が足りなくなれば銀行から借りますよね。そうなると、銀行に溜まりに溜まった資金が世の中に出てきます

 

アメリカも内部留保を溜め込んでいますが、株主からの要請により、配当金を上げたり、自社株買いをします。株主に還元するのです。(P110~114)

 

執筆中。

 

私の本は、参考文献からかなりアイデアを借りました。参考文献を掲載したり、引用元を示したりしたのは、著者に敬意を示したためです。ちなみに、引用は、多少、内容ではなく、文体や形式や長さを変えていることはご承知ください。

 

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参考・引用文献 

「脳を鍛える「超」記憶法」

「経営幹部 仕事の哲学」

「自分を変える読書術 学歴は学「習」歴で超えられる」

「ダントツにすごい人になる」

「自信がない人は一流になれる」

「ダントツにすごい人になる」

ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学

「選択と捨象」

「ビジネスモデル思考 既存ビジネスから「イノベーション」を生む7つの視点」

「「教養」として身につけておきたい戦争と経済の本質」

「日本はなぜ負けるのか インターネットが創り出す21世紀の経済力学」

「これが世界と日本の真実だ」

「ポスト・アベノミクス時代の新しいお金の増やし方」

「日本の企業を復活させる稼ぐ経営」

「正解が見えない課題を圧倒的に解決する超仮説思考」

「プロのグラフ仕事 伝えるためのExcelエッセンス」

「役員になれる人の「数字力」使い方の流儀」

「新富裕層の研究」

大前研一IoT革命」

「デービット・アトキンソン新・所得倍増論」

「上位1%のエリートしか知らない?ニッポン経済世界最強論!」

「投資バカの思考法」

「これから日本で起こること」

「格差大国アメリカを追う日本のゆくえ」

「マイナス金利の真相」

「プロのグラフ仕事 伝えるためのExcelエッセンス」

国民所得を80万円増やす経済政策」

「ビジネスで使える経済予測入門」

「役員になれる人の「数字力」使い方の流儀」